12月11日のNHK「サキどり」で、空き家に眠る廃材に価値を見出し、別の物としての新たな付加価値をつけて利用するという取り組みが紹介されていました。
古い空き家に眠っている古材。そのまま解体すれば、そのほとんどは廃棄されてしまいます。しかし、それらの古材は時代を付加された一品もの。取り出してリノベーションに活用したり、例えば床材を継ぎ合わして、古い味のあるテーブルにし上げたりすることで、その物の命を長らえるのではなく、当たらしい命を与える取り組みです。
空き家に眠る古材、特に床材や建具は、取り出して必要な補修を加えれば、他の建物でも利用可能です。これは、物の価値を変えないので「リサイクル」となるそうです。一方、廃棄に廻ると、木材はせいぜい燃料として使われるくらいの活用しかありません。これは物の価値を減少させるので「ダウンサイクル」。一方、今回紹介された取り組みのように、新しい価値を与え、価値が上がるので「アップサイクル」。
これまでの社会は、「ダウンサイクル」から「リサイクル」重視の世の中に変わってきました。そしてこれからは、「アップサイクル」の時代にしようというのが、番組の狙いのようでした。
しかし、一般には「廃材」とみられているものを見て、新しい価値を見出すことは、簡単ではありません。「既存のものに新しい価値を付加できる」感性を磨くことも、ニュービジネスを生み出すために大切なことのようです。